当院の変形性膝関節症に対するリハビリ
理学療法士の黒瀬です。
今回は【変形性膝関節症】について
病態と当院のリハビリについてお伝えします。
よく、整形外科で膝の水を抜くと癖になるから、抜かない方がいいよ!
なんて話をスポーツクラブの更衣室等の井戸端会議で話されていたりします。
まずは敵を知らねば作戦を立てられぬということで、
変形性膝関節症を簡単に説明させて頂きます。
中高年の方で膝の痛みがある方は非常に多く、
ある研究の数字では変形性膝関節症を患っている40歳以上の人の割合は、
男性の43%、女性ではなんと62%にもなることがわかっています。
症状としては、
初期は歩き始めに痛いから始まり、
次第に長時間歩行すると膝の痛みが増えるようになり・・
膝に水が溜まったり…
正座ができなくなったり…
膝がギシギシ音がしたり…
階段を昇る時にはより痛みが強くなったりします。
なぜ膝の痛みが出てしまうのでしょうか?
膝の関節内では骨と骨が直接に擦れ合わないように
骨の表面を関節軟骨が覆ってクッションの役割をしています。
この関節軟骨が加齢的変化や繰り返しのストレス等によって
軟骨の質が低下し、摩擦ですり減っていく中で
現在の医療では一度すり減ってしまった軟骨を元に戻すことは難しく、
治療としては、保存療法と手術療法と分けられ、今回は保存療法について解説していきます。
保存療法は大きく分けて3つあります。
1、運動療法:ここを後半で詳しくお伝えします!
2、薬物療法
関節の滑りを良くするヒアルロン酸等の注射(事前に関節内の水を抜く)
痛み止め、炎症を抑える飲み薬、湿布薬
3、物理療法
冷やして炎症を抑える
温めて筋肉を柔らかくしたり、痛みを抑える
電気を流して、筋肉を刺激する、痛みを抑える
上記の中で、当院が最も力を入れているのが理学療法士が一対一で提供している運動療法です!
運動療法は大きく分けて5つあります。
2、身体、関節が硬い→ストレッチ、関節を動かす練習
当院ではまず、診察でレントゲン撮影の他に、必要であればMRIを撮影します。
それぞれの関節や筋肉の動きやすい状態を整えたら運動療法へ移ります。
ピラティスのインストラクターの資格も有しており、
専門的な器具を使い、その方に最も適切な負荷での運動療法を提供しております。
変形性膝関節症に対するピラティスを用いた運動療法の一部を紹介していきます。
専用器具のリフォーマーを使って寝た状態から膝の屈伸運動を行うことで、
またその際にバーに乗せた足(つま先の向き)と膝の位置を整えるアプローチをすることで
膝や足首の関節の正しい位置(アライメント:骨の配列)を学習することができます。
器具のスプリングの負荷量を調節することで、
正しい関節の位置での筋力強化も行うことができます。
その後、チェアーという器具を使って座った姿勢で動きの学習を行います。
また研究では、肥満の方は変形性膝関節症になるリスクが最も高い結果が出ております。
つまり、肥満や筋力低下、使い方の間違いがある中で、
膝にかかる負担が大きくなり、膝の軟骨がすり減るという、
根本的な原因が残っているうちは、水を抜いて一次的に動きやすくなったとしても、
膝自身が水を溜めて、動かしにくくして、膝が膝を守ろうとしているのです。
正しく治療するということは水を抜いて、楽に動ける状態を作った後に、
繰り返しになりますが、現在の医学ではまだ膝の軟骨を元に戻すことはできません!!
しかし、筋力増強や正しい膝の使い方、減量等多角的にアプローチすることで、
改善だけでなく、諦めていたスポーツ活動や美しく歩けるようになる等、
改善だけでなく、再発防止や、諦めていたスポーツ活動や美しく歩けるようになる等、
今よりもパフォーマンスを高めることも出来る可能性があります。
スタッフ一丸となり日々研鑽を重ねております。
膝の痛みで悩んでいる全ての方々の一助になれば幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
理学療法士 ピラティスインストラクター 黒瀬