【福岡】6/4~6/10は歯と口の健康週間!お口の健康は身体の健康!
こんにちは、管理栄養士の濵田です。
6/4~6/10は歯と口の健康週間となっているのをご存じでしょうか?
歯と口の健康週間とは、厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会、日本学校歯科医師会が実施している週間です。
「6(む)4(し)」にちなんで虫歯予防デーとして実施していた6月4日から6月10日までを、現在は歯と口の健康週間としています。
●歯の健康は全身の健康?
健康的な食生活を維持するためには、80歳になっても自分の歯を20本以上保つことが推奨されています(8020運動)。80歳の平均歯数は8020運動が始まった1989年は10%を下回っていましたが、平成28年現在では51.2%(平成28年歯科疾患実態調査)と徐々に増えてきています。
自分の歯で噛むことは生命の根源の力、生きる力に直結しています。ただ長生きするだけでなく、健康で満足度の高い人生を送っていただくためには、80歳で20本以上の歯を保つ必要があります。日本人の平均寿命が延びている昨今、歯の寿命もさらに伸ばすことが課題となっています。
また、咀嚼力や誤嚥、糖尿病など全身の健康、さらには心の健康にも大きな影響があります。
歯で食べ物をしっかり噛むと、唾液が出て、消化・吸収を助けてくれます。また、咀嚼によって期待される効果は、肥満の防止や味覚の発達、全身の体力向上などです。
●歯周病と糖尿病
歯を失う2大要因はう蝕(虫歯)と歯周病です。日本では歯周病で歯を失う人が多くなってきており、特に高齢になると歯周病で歯を失う比率が高くなります。
図1: 抜歯の主原因(全体)と抜歯の主原因別にみた抜歯数(年齢階級別、実数)
歯周病は、糖尿病や心臓病と同じ生活習慣病に位置づけられていて、歯を支えている歯肉やあごの骨が徐々に破壊されていく病気です。正しい治療やケアをせずに放置していると、やがて歯がぐらぐらになって抜歯を余儀なくされます。
さらに、歯周病は口腔内だけの病気ではなく、全身の病気と深い関わりがあります。
特に糖尿病と歯周病の関係は注目されています。
歯周病があると、糖尿病のコントロールも難しくなることが分かっています。そして最近の研究では、歯科治療をきちんと行うと、血糖値が改善するということも分かっています。
糖尿病の方が歯周病になりやすい原因としては、高血糖の為抵抗力が落ち、口の中が乾燥しやすく、細菌が増えやすい状況になっていることが考えられます。
●歯を丈夫にする食事
①よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで、歯やあごを丈夫にするだけでなく以下のような効果が期待できます。
・満腹中枢が働き食べ過ぎ防止に繋がり肥満の予防になる
・食べ物本来の味がよく分かり、味覚の発達に繋がる
・口周りの筋肉を使うことで表情や発音が良くなる
・脳の働きが活発になり、子どもの知育を助ける、高齢者の認知症の予防に役立つ
・唾液がたくさん出るため、口の中をきれいにしたり、虫歯や歯周病の予防に繋がる
・食べたものを細かくすることに加え、消化酵素が出て消化を助ける
②カルシウム、ビタミンD
カルシウムは体内で最も多いミネラル(成人の体重の1-2%)で、その約99%は骨や歯などに存在しています。
カルシウムが多く含まれる食品として、乳製品、大豆製品、小魚、海藻類、モロヘイヤや小松菜などが挙げられます。
しかし、カルシウムは主に小腸で吸収されますが、その吸収率は牛乳が約40%、小魚が約30%、野菜が約20%と食品によってさまざまで、炭水化物やタンパク質などと比べると吸収率の低い栄養素の1つです。
そこで、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDも併せて摂ると良いでしょう。
ビタミンDを多く含む食品として、鮭、イワシ、さんま、かれい、きのこ類(特に干し椎茸や乾燥きくらげなどの乾燥きのこ)が挙げられます。ビタミンDは脂溶性ビタミンと言って、あぶらと一緒に摂ると吸収率がアップするビタミンなので、脂質を含むものと一緒に調理すると良いでしょう。
③ビタミンA、ビタミンC
ビタミンAは目・鼻・喉などの粘膜の健康維持、ビタミンCはお肌の健康に関与していることで有名な栄養素ですが、実は丈夫な歯を作るために欠かせない栄養素です。
ビタミンAは歯のエナメル質の強化、ビタミンCは歯の象牙質を作るサポートに役立ちます。
ビタミンAはレバー、うなぎ、卵、モロヘイヤ、にんじんなどに多く含まれています。ビタミンDと同様、ビタミンAも脂溶性ビタミンになります。
ビタミンCは緑黄色野菜や果物、芋類に多く含まれています。ビタミンCは水溶性ビタミンと言い、水に溶けやすいビタミンです。加えて熱に弱いという性質もあるので、調理の際はなるべく水にさらさず、火を入れ過ぎないことがポイントです。芋類のビタミンCはデンプンで保護されている為、調理後も殆ど分解されずに残ります。
④タンパク質
タンパク質は筋肉や血液、臓器、髪、爪などの材料になるだけでなく、丈夫な歯茎を作る為に欠かせない栄養素です。歯茎の約60%はコラーゲンで出来ていると言われていますが、そのコラーゲンはタンパク質の一種です。
⑤食物繊維
根菜類などの噛み応えのあるものを食べると、咀嚼回数が増えるのであごの骨の発達だけでなく、歯の表面に付着した汚れを掃除してくれます。
参考:熊本県歯科医師会
・かかりつけ歯科をもちましょう!定期的な歯科検診を!
歯を健康に保つためには、食事や禁煙、歯磨き等のセルフケアが重要です。
しかし、いくら丁寧にケアしていても汚れは残ってしまう為、定期的に歯科医院を受診し、歯のチェックやクリーニングをしてもらいましょう。
また、かかりつけ歯科を持つことで、歯や歯茎の変化に気付きやすくなり、お口の健康維持に繋がります。
これを機に、ご自身のお口の健康を見直してみてはいかがでしょうか?
スポーツ・栄養クリニック
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