プロバイオティクスとプレバイオティクスってなに?~身体の健康は”腸”から見る~
皆さんこんにちは!
管理栄養士の小森です。
寒気も少しずつ緩みはじめ、からっとした春らしい天気が続いていますが、皆様いかがお過ごしですか。
本日はプロバイオティクス・プレバイオティクスについてお話ししようと思います。
皆さんはプロバイオティクスとプレバイオティクスを聞いたことがあるでしょうか。どちらも似た名前ですがこの二つは腸内の健康維持にとても重要な役割を果たします。
私たちの健康維持は口から取り入れる食べ物の栄養素から成り立っていますが栄養素はとればとるほど多く腸に吸収されるわけではなく、腸内環境の状態によって吸収の効率度が異なり、せっかくとった栄養素がきちんと吸収されないことがあります。吸収できなかった残りの栄養素は尿や便となり排出されます。
腸内細菌は人に良い影響を与える「善玉菌」人に悪い影響を与える「悪玉菌」、腸内環境の良しあしによって、どちらにもなりうる「日和見菌」の3種類の細菌が腸内バランスを保っています。
腸内に悪玉菌が増加すると、便秘や下痢の症状をはじめ、腸内に腐敗物質や有害物質を産生し、便臭や体臭、口臭などが悪化する他、肌トラブル、アレルギー、生活習慣病やガンなど、多くの疾患の原因にもなると言われています。また腸は私たちの身体を病原菌やウイルスから守ってくれる免疫システムを備えているので、腸内環境の悪化は病気にかかりやすい体になってしまうことにつながります。
逆に、腸内環境が良いと免疫力が高まり、栄養を吸収しやすくし、結果的に身体全体の健康を期待することが出来るのです。
腸内環境を良くするには善玉菌を増やしていくことが重要となってくるのですが、
ここで本日のテーマプロバイオティクスとプレバイオティクスが注目されます。
~プロバイオティクスとプレバイオティクスってなに?~
似たような名前をしていますがこの二つは全く別の物で、どちらも善玉菌を増やしていくうえで良い効果をもたらします。
〇プロバイオティクスとは
そのものが善玉菌を持っている生きた微生物、または食品のことです。
ヨーグルト・乳酸菌飲料(乳酸菌やビフィズス菌)・チーズ・納豆・ぬか漬け・味噌・甘酒・キムチなどがあげられ、青汁やサプリメントなどからも手軽にとることができます。
プロバイオティクスは下痢や便秘を抑える、腸内環境を改善する、免疫力を回復させる、腸内の感染を予防する等の働きがあり、中でも善玉菌の一つであるビフィズス菌は乳酸菌よりも大きな効果をもたらすと言われています。
ビフィズス菌が産生する酢酸は非常に強い殺菌作用があり、腸の粘膜を保護する作用があるのでO-157などの予防にもいいと言われています。
ビフィズス菌はすべてのヨーグルトに含まれているわけではないので、パッケージを確認して、ビフィズス菌入りの製品を選択するといいと思います。
重要なのは、食べ物からとった善玉菌は、腸内にとどまり自ら増殖したり生き続けるものではないので、腸内健康への効果を期待するには持続的に摂取する必要があります。
〇プレバイオティクスとは
腸内にいる善玉菌にエサを与え、増殖を促す食品のことです。オリゴ糖や食物繊維などが例に挙げられます。
プロバイオティクスである乳酸菌・ビフィズス菌の増殖促進、整腸作用、ミネラル吸収促進などの働きがあります。
オリゴ糖は砂糖や果糖のような単糖類ではなく単糖が2~10個以上くっついている少糖類のことで、
難消化性糖質で腸内で直接消化吸収されない性質を持つことから、”糖として吸収されないオリゴ糖”と称した様々な製品が出ており、注目されていますね。
オリゴ糖は大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品に多く含まれています。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類あり、主に穀類・豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類など植物性のものに含まれます。
このプロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を継続的にとることにより、善玉菌を効率よく増やすことができます。
これらを踏まえると、『和食』はプロバイオティクスとプレバイオティクス、双方を豊富に持ち合わせたベストの食事形態ではないでしょうか。
~腸内環境の悪化を防ぐには~
腸内環境が悪化する原因は主に運動不足・ストレス・加齢・抗生物質・細菌汚染・偏食などの生活環境による影響が大きいです。
栄養バランスには気を付けているのに、くすりを飲んでいるのに体調がすぐれないという方は腸内環境が影響しているかもしれません。
肉中心・野菜少なめの食事ではないか、アルコールを摂りすぎていないか、寝不足になっていないか、運動やストレスは発散できているかなど、一度生活習慣から見直してみることも大切です。
当院では他職種合同で栄養の勉強会を定期的に開催しております。
2月のテーマは『腸内細菌』
腸内環境が私たちの健康をどう左右するのか、善玉菌が及ぼすメリットについて勉強しました。
患者様に栄養介入させていただく立場として、自らが常に健康でいることを目指しています!
当院では体組成を測定するinbodyの設置、測定と同時に栄養士やトレーナーからのフィードバックや、サプリメントの紹介、相談などを行っておりますのでお気軽にご連絡ください。
また、3月には食・栄養に関する栄養講話なども行う予定ですのでそちらもぜひチェックされてみて下さいね。
3月栄養講話のお知らせはこちらからhttps://www.clinicsn.com/contents/nutrition-diet-health-2021-03-27/
整形外科 スポーツ栄養クリニック福岡