Q:サプリメント大国・アメリカのサプリを日本人が飲んでも大丈夫?
「通販で買ったアメリカのサプリメント〇〇を使っても良いでしょうか?△△に効く、と書いてったので購入しました。日本のものより含有量が多いようなので、過剰にならないか気になります。」
先日、患者様からこのようなご質問をいただきました。
この頃、「サプリメント大国」と呼ばれるアメリカをはじめ、海外からサプリメントを購入している方が年々増加しているようです。アメリカのサプリメントは種類も豊富で人気があるようですが、果たして安心して日本人が使えるものなのでしょうか?
目次
- ・サプリメント大国・アメリカのサプリを日本人が飲んでも大丈夫?
- ・「ドクターズサプリ」はちゃんと医師のチェックを受けているか?
欧米と比べて小柄な日本人は過剰摂取に注意
アメリカのサイズ・容量は、アメリカ人の体格を見ればわかるように、何かと日本のものより大きい傾向があります。輸入食材店で見かけるポテトチップスでも、日本のものよりも明らかに大きいですよね!
サプリメントについても同様のことが言えます。
アメリカのサプリメントは日本のサプリメントよりも多くの有効成分が含まれるものが多いので、含有量に注意して使わないと、過剰摂取になってしまう可能性が高いと言えます。そして、サイズが大きいということは、ものによっては添加物も多く含まれると考えたほうがよいと思います。
もうひとつ要注意したいことが、アメリカのサプリメントには、ヨウ素が含まれているものがあること。
これはアメリカが大陸国家で、ワカメや昆布などの海藻類を食べる機会が少なく、ヨウ素を摂取しにくいお国柄のため。
半面、日本は島国。日頃より、昆布だしをはじめとし海産物を摂取する機会が多いため、ヨウ素を含むサプリメントを取ると過剰摂取の危険があります。
ヨウ素と関係のある病気で、橋本病(慢性甲状腺炎)という疾患をご存知ですか?
橋本病(慢性甲状腺炎)は自己免疫疾患の一つ。自己免疫疾患とは、細菌やウィルスなどから体を守るための免疫が、自分の臓器・細胞を標的にしてしまうことで起きる病気の総称です。
非常に頻度の高い病気で、成人女性の10人に1人、成人男性の40人に1人にみられます。橋本病を持っている人が、強いストレスや妊娠・出産、ヨード過剰摂取(海藻類、薬剤、造影剤など)等をきっかけとして甲状腺機能低下症を発症し、橋本病が明らかになるのではないかと考えられています。
持病のある方は、サプリメントの始める前に必ずかかりつけ医にご相談ください。
「ドクターズサプリ」とは何でしょう?
国内外問わず、「ドクターズサプリ」と呼ばれるサプリメントがあります。
この言葉は、2通りの意味で使われているようです。1つは、医師や歯科医師の指導に基づいて、医療機関で使用されているサプリメント。もう1つは、「医師が推奨するサプリ」というキャッチコピーで、医師が開発に関わったというものです。
本来、ドクターズサプリは、前者のサプリメントの指す言葉。
専門知識を持った医師、歯科医師のアドバイスに沿ってサプリメントを選べば、不足している栄養素をしっかり補給できる可能性が高く、無駄な買い物をしないで済みます。当院には、管理栄養士も在籍しておりますので、お悩みの方はぜひご相談ください。
一方、ドクターズサプリと言いながら、医療機関ではなくネット通販などで販売しているものには、注意が必要です。
インターネットで「ドクターズサプリ」と検索すると、いろいろなサイトがヒットしますし、ドラッグストアでも「医師監修」「ドクターズサプリ」と称する商品が並んでいます。サプリメントを買うときは、「キャッチコピー」や見た目の「パッケージ」で選ぶのではなく、専門家に相談した上での購入をおすすめします。
私たちの身体は、口から食べたもので出来ています。サプリメントも食べ物のひとつと言えます。
自分の口に運ぶ以上、「なんとなく良さそう」とイメージで選ばすに、しっかりと見極めたいですね。
整形外科 スポーツ・栄養クリニック
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